軽井沢町塩沢村から里山の楽しさを皆で発掘する「里山キャンパス」のサイトです。
「エコミュージアム」塩沢村の内のあらゆる施設やイベント情報も発信しています。
「軽井沢昆虫クラブ_昆虫探索記」の記事
第5回 軽井沢昆虫サマーキャンプ 2019後編 額装
2019年8月16日昆虫サマーキャンプ後半、始まりました。雨降りの午前中は三角紙折りから〜。
昆虫採集に虫かごは使いません。トンボやチョウは三角紙にそっとはさむと、暴れて翅がボロボロにならずに標本にできます。三角紙は専用のものでなくても、新聞などでも代用できます。でも、ちゃんと折らないと虫が逃げるぞ〜。
「このまえ見た標本は、ハネが下がってたよ」と昆虫部員。すると響太郎部長、「それは西洋式かもね。日本式の展翅はかっこよくピシッとみえるよう、蝶の翅は水平に、甲虫の脚は開いて整える。一方、西洋式の展翅は自然の中の姿を再現するという考え方で、ゆったり展翅することがあるんだよ。カブトムシの脚も、体にぴたっとしていることが多いね。でも部長は日本式のほうがかっこいいと思うけどね〜」
ファーブルおじさん仕込みの響太郎部長による標本講座。どんな質問にも即座に答える高校二年生です。
軟化展翅。かたくなって翅が開かない蝶は、胴体に熱湯を注射して軟らかくしてから展翅します。「翅にお湯がかかると鱗粉が取れちゃうから気をつけて。それと、火傷しないようにね」と響太郎部長。初参加の小学三年生も果敢に挑戦しています。
「標本には必ずラベルをつけること」と響太郎部長。漢字とローマ字、どちらか好みでOK。ローマ字を習いたての小学生たちは、張り切って欧文表記を選んだようです。笑
今年の昆虫サマーキャンプの標本講座はスペシャルだぞ! なんと、前半に作った自分の標本と、ファーブルおじさんのコレクションをコラボさせた額装にチャレンジ☆ 宝石のようなファーブルおじさんの標本から、好きな昆虫を選んで自分の標本に飾れるという、夢のような企画。
しか〜し、もちろんタダではもらえないのだ。欲しい昆虫の名前を当てないとダメ。みんな真剣に図鑑で調べて、他の子に聞こえないよう響太郎部長に耳打ち。正解した昆虫だけもらえる。出来上がった額装は、どの子も個性的かつ美しい〜! これで自由研究はばっちり。新学期、学校に持っていくのが楽しみだね☆
昆虫ロゲイニングの説明。
みんな、NHKの『昆虫すごいぜ!』は好き? この間の『昆虫やばいぜ!』も見た? あれはいい番組だっよね。カマキリ先生、コスタリカで昆虫採集してたけど、始める前に今回の目標を決めていたよね。あれはとても大切なことなんだ。君たちは、目の前に虫が飛んできたらとにかく網を振るでしょ。そうじゃなくて、「今日はこの虫を捕まえるぞ」と決めて、それ以外は捕まえないのが正しい昆虫採集なんだよ。
やみくもに取れるだけとるのは「乱獲」。人間の欲望のまま取り尽くされて絶滅した生き物は数多くいる。僕らはそんなふうにはしない。きちんと目標を決め、一匹ずつ捕まえる。種類を確認し、記録する。標本にするときはラベルをつける。こうすることで、気候の変動や昆虫の生態がわかるんだ。
今回の昆虫ロゲイニングは、今までの加点方式と変えました。同じ虫は何度もとらないこと。リストにないものは、部長に聞くこと。いいね。じゃあ、出発しよう!
昆虫サマーキャンプ3日目の夕方は、いつものフィールドでロゲイニングの続き。
表彰式と夕食のあとは、ライトトラップ。月夜の里山を照らすあかりに昆虫たちが次々とやってきます。
夜遅くまでライトトラップを楽しんだ昆虫部員たち、翌朝は5時に起床して朝の森の見回りへ。二度寝する子もいる中、夜明けとともに読書にいそしむ子も。朝食は畑の脇で。みんなで外で食べるとおいしいね〜。